<テレキャスターというエレキ・ギター #6>
Teleはギリシャ語で遠いことを意味すると、ふとしたことから知りました。 telepathy(離れた所から意思を感じる)、telephone(電話),、telegram(電報)、telescope(望遠鏡)、television(テレビ)などなど、皆遠くへ何かを伝えるものですね。 初期のエレキ・ギターらしいネイミングだと思います。
ちなみにストラトキャスターはどういう意味でしょう?
何語かわかりませんでしたが、ストラトは成層を意味するらしいです。成層圏の成層ですが、storato-volcanoは成層火山の意味で、同一の火口から噴火を繰り返した結果、火砕流や堆積物が層を成している状態です。
このあたりから噴火するような音を運ぶという意味ではないか?と想像していますが、話がそれました。
テレキャスター・サウンドの特徴は乾いた音です。カリンとした感じとか、パッキンパッキンなどとも言われます。表現が難しいですが、特にカントリー系テレキャス・プレイヤーの音はそんな感じに聞こえます。
では湿った音とはどんなものでしょうか?これはどちらが良いとか悪いとかいうものではなくて、弾く人聞く人の好みの問題ですが、 例えばサンタナとかゲイリー・ムーアなどの歪んだロック・サウンドは僕にはすごく湿った音に聞こえます。サンタナもゲイリー・ムーアも僕自身聞くのは大好きなのですが、僕が弾きたいのはもっと乾いた音なのです。80年代にゲイリー・ムーアがビーチ・ボーイズのアルバムにゲスト参加したことがありますが (The Beach Boys ‘85)、カリフォルニアっぽい乾いたコーラスと全体のサウンドの中で、彼のギターだけが湿った感じに聞こえたのを覚えています。
テレキャスター・サウンドにも幅があって、本当にカリンカリンな生音から随分歪ませたものまであり、これはもうどんな音を出そうと自由ななわけですから文句をつけるものではありません。ただ僕の考えを言わせてもらえば、あまりに歪んだ音にしてしまうと、これはもう何もテレキャスターで弾かなくてもいいのでは、と思う時があります。ギター自身の音よりもエフェクターが勝っている感じですね。
2010年9月10日
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