す。




<テレキャスターというエレキ・ギター #5>

この夏から少しずつ『カッコ良い!!Fenderテレキャスター奏法 2』の内容を考えて、デモを録音しているのですが、入門編と違って中々前進しません。制作は新年になってしまいますが、基本にもどってテレキャスターっぽい弾き方ってどういうことかを考えてみます。

僕にとってのテレキャスターは、パシッと弾くとキレのいい音が弾(はじ)けるように鳴って、ブルーノートも何故か明るく響き、ソフトに弾くと優しさが溢れて鳴いてくれる、そんなイメージですね。

入門編ではこのイメージにふさわしいフレーズを幾つも考えて、4小節ずつ練習して、3パターンをマスターすると12小節のソロになるようにしました。続編では少しテクニック度は増しますが、基本の心は同じです。

カントリーっぽく弾くには、弾き終わった音を残して次の音を出すのがコツですが、残す音が開放弦の場合と指で押さえたままの2パターンがあります。特に開放弦を使用する場合は、例えばkey=Gの場合、key=Dの場合というように、そのkeyで出来ることを覚えなくてはなりません。同じことを違うkeyで出来ないのです。カポタストを使えば出来る場合もありますが、カポを使わないで、そのkeyで出来ることを考えるのが楽しいのです。

スチール・ギターのフレーズを弾くのに、ベンダーを装着したテレキャスターを使う人もいて、それはそれでカッコいい音が出ますが、ジェームス・バートンとベンダーについて話しをした時に彼は、普通のギターでスチールみたいに弾くから面白いんだよ、というようなことを言っていました。
僕も同感で、(というよりベンダーを使いこなすのが面倒で)そういう弾き方のフレーズを作り出すこと自体が楽しみなのです。

またジェームスは歌のバッキングの名手で、決して歌を邪魔せずにバックで盛上げるのが本当に上手なのですが、 色々なフレーズや曲をコピーしてみた結果、難しいフレーズをマスターするのも楽しいです
が、例えば5度の音を半音下からベンディング するようななんでもないフレーズを、その曲のどこで効果的に使うかがコツなのに気がつきました。
使う音はひとつだけでも良いタイミングで弾けば、本当にかっこ良く響きます。これはもちろんテレキャスターに限らず、またギターでもピアノでも共通のことですが、歌を邪魔したら負け、邪魔しないでその瞬間に自分のフレーズで全体をかっこ良く出来たら勝ち、みたいな一音勝負なのです。
自分だけ目立っても、全体から浮いちゃってはいけません。

そしてテレキャスターは、その特徴を活かして弾くには、なにしろごまかせない楽器です。エフェクターを沢山使ったり、歪ませればもうテレキャスターのサウンドではなくなってしまうからです。ワウワウやコンプレッサーを使う時も、僕はキレのあるフレーズでなんとかテレキャスっぽく響くように努力します。ディレー・エコーも極力薄くして、ブレークした時に音が残るので使っていることがわかる程度です。これもジェームス・バートンのまねなんですけどね。

(テレキャスターに関する話題を、ぜひBBSに寄せてください。)



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